たつの市内のこども園の定員増員の必要性

 今の日本では「ムダの排除」と言うと「なんとなく良いこと」と見做されることが多いですが、その結果が過疎地域における学校の統廃合であり、却って過疎化を加速化することになってしまいました。

 私の住むたつの市では、今では人口減少は比較的緩やかとはなっていますが、だからと言って若者が安心して子育てを出来るのか、と言うと疑問符が付きます。

 私の住む小宅地域では満3歳から満6歳の子供の人数が757人なのに対して(令和4年たつの市統計書より)、こども園・保育園の定員合計は460人です。満3~6歳の子供の人口に占める定員率は約60%です。

 小宅地域はたつの市内で唯一若者の人口が増えている地域であり、このままだと定員率はさらに低下することが予想されます。

 同様の状況にあるのが新宮地域(中新宮)で、こちらは同定員率が約89%ですが、令和元年の統計書では新宮地域の満3歳から満6歳の子供の人口が114人であったのに対して、今では123人に増えていることを勘案すると、やがては小宅地域のようになることも否定できません。

 無論、たつの市全体ではこども園の定員は余っているため、市の方も定員を増やす必要性があるは考えていなかったのでしょう。

 しかしながら、今地方自治体は若者の人口を増やして存続することが求められており、いわば市全体が小宅地域や新宮地域のように子供たちの数が増える状況になってもらわないといけない訳ですから、子供の人口が増えても対応できるため余裕を持った体制を整えることが必要です。

 例えばある工場の経営者が「追加注文をしてほしい」と言っていたとして、この工場に追加注文に耐えられるだけの余力がなければ、誰も追加注文をしないでしょう。

 たつの市が子供たちの人口を増やしたければ、先ずはこども園の定員を増やして子供たちを迎え入れる準備をする、話はそれからです。

 現在は「ムダの排除」ということで、兵庫県全体でも高校の統廃合が計画されています。

 「ムダの無い社会」は「余裕の無い社会」と同じです。私が目指す政治は「余裕のある社会」を作る政治です。

 仮に今後、私の予想に反して小宅地域や新宮地域の子供たちの人口が減ったとしても、それを理由にこども園の定員削減や統廃合を進めると、却って過疎化が加速することは他の地域の例も示しています。

 新自由主義の目指す「ムダの無い社会」から「余裕のある社会」への転換が求められます。

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