「武備に国費を要し、教育費は削られ、俸給は縮められ、民に生色なく、国に寧日なきは当然である」――私が国防増税に反対する信仰上の理由

 昨日noteに書いたように、私は岸田政権による「国防増税」(防衛費増税)に反対します。

 それは単に立憲民主党の方針に従うというだけのものではなく、私の信仰と相容れないものであるからです。

 いつの時代にも抑止力のためと称して軍拡を主張する方はいますが、軍拡は往々にして「安全保障のジレンマ」と言う事態に陥ります。

 私の信仰する生長の家では、昭和6年に住吉大神が大聖師谷口雅春先生に下したとされる「“心の法則”と“平和への道”の神示」というものがあります。そこにはこう記されています。

《乱を忘れざる者はついに乱に逢う。乱を忘れざるが故に常に恐怖し、乱を忘れざるが故に武備をたくわえ、武備を蓄えるが故に近隣を威脅し、近隣を威脅するがために、近隣また恐怖して武備を増す。かくの如くして近隣兵を増すを見て、また自国は更に兵を加えて互に虎視眈々として近隣相睥睨す。武備に国費を要し、教育費は削られ、俸給は縮められ、民に生色なく、国に寧日なきは当然である。》(谷口雅春『秘められたる神示』日本教文社、21頁)

 この内容が真理であることは、生長の家の信者でない方にとってもご理解いただけるのではないでしょうか?

 これは戦前の話ですが、近年は国立大学の授業料も値上げするなど教育費の値上げが相次いでおり、一方で今年は比較的安定しているとされていた公務員の給料引き下げが実行され、当然民間の人間はスタグフレーションでより苦労している中での、国防増税です。

 その様なことをしていると「民に生色なく、国に寧日なきは当然」という状況が再び生じかねません。

 神示のように住吉大神から批判された戦前の軍部ですら、「国民の必勝信念と国家主義精神の培養の為めには、国民生活の安定を図るを要し、就中、勤労民の生活保障、農山漁村の疲弊の救済は最も重要なる政策である」(陸軍省『国防の本義と其強化の提唱』、昭和9年)という立場でした。国防のためには国民の生活を守らないといけない、と言うのは、当たり前の話であり、そもそも国民の生活を守らずして何が国防か、ということです。

 ところが、今の岸田政権は「勤労民の生活保障」を唱えるどころか、あべこべに「資産所得倍増計画」なるものを打ち出しています。

 「資産所得」とは「不労所得」のことです。「勤労所得」が増えずスタグフレーションに困っている国民に向かって「不労所得を増やせ!」と言っているのです。

 そもそもバブル景気にもならない限り資産所得倍増など実現できず、況してや「国防増税」を行おうとしている状況では絵空事ですが、仮にそれが成功としたとしても、これは格差が拡大するだけです。働かずに不労所得を増やす人と、搾取される勤労民に分かれるのが、岸田首相の言う「資産所得倍増」の実態なのです。

 私は確かに国防も大切であるという立場ですが、「民に生色なく、国に寧日なき」結果になる岸田政権による国防増税には反対しなければならないと考えます。

日野智貴オフィシャルサイト

日野智貴の公式サイトです。立憲民主党党員、国民民主党サポーター。

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