比例代表制の問題点を浮き彫りにしたれいわ新選組
国会議員の激務故に鬱病を発症していた水道橋博士議員が辞職され、大島九州男先生が同じれいわ新選組の比例区の候補として繰り上げ当選されることとなりました。
まず、水道橋博士議員につきましては、芸能界から政界への転身という状況下、精一杯国会議員の職務を果たそうとされたと聞いております。タレント政治家を一概に否定される方もいますが、少なくともいい加減な気持ちで公務に臨んでいた訳ではないと思います。
また、この度当選されるFBFでもある大島九州男先生については、動物愛護の政策等で実績のある方であり、アニマルライツ活動家としても大いに期待したいところです。大島九州男先生の信仰は立正佼成会で、生長の家の友好教団であり、霊友会の分派でもあり、最上稲荷の信仰を持つ家に生まれた私としては同じ日蓮聖人の教えを信ずる者として好意的に見ています。
一方で、この度れいわ新選組は参議院議員を1年交代で辞職させる方針を示したということです。
一応共闘野党であるれいわ新選組については、政策面の議論や立憲民主党批判への反論を除きこちらからの批判は控えたいですが、比例代表制の本質が今回の件で浮き彫りになったということは言えそうです。
比例代表制とは個人ではなく党に投票することを本質とします。従って、参議院比例区のような非拘束名簿式(個人名での投票も可能)であっても、個人名の総計が政党の得票数とされますから、根本的には政党によって議席が選ばれているのです。
拘束名簿式では完全に当選順位は党の執行部の言いなりとなりますが、非拘束名簿式であっても順位が選挙で決まるだけであって、執行部の裁量の余地が無くなる訳ではありません。極端な場合、もしも党の執行部が得票数最下位の候補者以外全員を除名としたならば、繰り上げ当選されるのは最下位の候補者ということになります。
ですから理屈の上では今回のれいわ新選組の決定は全く問題ないものであり、これを問題視するならば比例代表制そのものを問題視しなければ筋が通らないでしょう。
よく生半可な知識と正義感を振りかざす輩が「比例復活はオカシイ!」などと言う意味不明な主張をします。
比例復活とは小選挙区で落選はしたものの「惜敗」、つまり「惜しい」負け方をした候補者が比例代表で復活当選をすることを認める制度で、衆議院で導入されています。こちらは一度選挙区で戦っていますから、比例単独よりかは余程正統性があります。
完全比例代表制を導入してしまうと、全員が比例単独となります。つまり、多かれ少なかれ議席が党の執行部の考えに左右されてしまうのです。それでは選挙で「議員」個人を選ぶ意義が半減してしまいます。
無論、今回の件が起きることも積極的に肯定した上で完全比例代表制を主張されるのであれば、筋が通っています。
ただ、私個人の願いとしては、大島九州男先生のような立派な政治家には任期を全うしていただきたいと考えます。
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