エリザベス2世女王殿下の薨御に心よりお悔やみ申し上げます
グレートブリテン及び北アイルランド連合王国、パプアニューギニア独立国、ツバル、ソロモン諸島、カナダ、オーストラリア共同体、ニュー・ジーランド王国、ジャマイカ、ハバマ共同体、グレナダ、セントルシア、セントクリストファー・ネイビス連邦、ベリーズ並びにアンティグア・バーブーダの国王にして諸国民共同体(Commonwealth of Nations)の首長であるエリザベス2世女王殿下が薨御されました。
心よりお悔やみ申し上げます。このことについての私の拙い想いはnoteに書かせていただきました。
さて、以前から問題意識を持っていたことでありますが、このことを機に考えてほしいことがあります。
エリザベス2世女王殿下に敬意を表するのは素晴らしいことでありますが、「陛下」「崩御」と言った、本来天皇陛下に用いるべき称号を女王に対して用いることは問題では無いでしょうか?
この記事は、用語を厳格に用いることを求める記事であるため、冒頭でエリザベス2世女王殿下の君主号を長く書きました。本当の君主号はもっと長いのですが、最低限のマナーとして、全ての国の名前を書くことにしました。
かつてはイギリス国王は冒頭に列記した諸王国のみならず、インド帝国の皇帝も兼任されていたため、そうした事情もあり、また日本よりも遥かに強大であったイギリスへの忖度もあり、本来天皇や皇帝に対して使われるべき「陛下」「崩御」等の用語をイギリス国王にも使うようになったものと思われます。
そうした名残からか、今の外務省はイギリスのみならず、全ての君主国の君主に対して「陛下」等の用語を用いています。高校生の頃、国会でブルネイ王国の王を「陛下」と呼んでいたのを動画サイトで見た時は、仰天してしまいました。
王や女王に対して天皇や皇帝と同じ用語を用いることは、極めて不敬であると考えます。
これに関連して、我が国では「親王」と「王」、「内親王」と「女王」の区別もせずに、男性の皇族を「prince」とし女性の皇族を「princess」としています。しかし、「prince」は英語圏では臣民の公爵にも用いられる称号であり、事実我が国においても「prince」は「公爵」の英訳としても用いられ、藤原摂関家や徳川将軍家の人たちが使っていたのです。
親王・内親王に藤原摂関家や徳川将軍家の当主と同じ英語を用いることは、君臣の別を危うくする暴挙であります。本来ならば「親王」には「high king」を、「内親王」には「high queen」を、「王」には「king」を、「女王」には「queen」を、それぞれ訳語として用いるべきです。
そして、海外の君主に対する敬称もそれに合わせて今一度整理するべきではないでしょうか?
今回の件を機に今一度、きちんとした議論が行われることを期待します。
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